
学生の抗議活動
|Posted:2019/09/20 18:32|Category : 世相談義|
香港政府は「逃亡犯条例」改正案を出したが その案に反対する運動が広がった
この条例案は中国本土への容疑者引き渡しに道を開くものだ
これまでも「普通選挙の実施」などを要求していた市民活動がくすぶり続けていたが
この機会に抗議活動に拍車がかかった
抗議活動は「デモ行進」「集会・座り込み」「ストライキ」「授業ボイコット」「銀行預金引き出し」「鉄道の進行妨害」「公共施設の破壊」など過激な行動もある
香港は中華人民共和国の特別行政区で自由貿易地域
1997年にイギリス領から中国へ返還され 中国の政治制度において本土領域から分離した領域を設置し主権国家の枠組みの中で一定の自治や国家参加を可能とする いわゆる一国二制度をとっている
香港も本土政府の枠組みの中に取り込もうとする動きがあり
これに抗議する運動が広がり過激な展開にもなっていた
結果この「逃亡犯条例」も撤回された
しかし 抗議活動は一向に収まらない
というのも抗議活動は「五大要求」からなっており
「普通選挙の実施」など四つの要求があるからだ

ところでこの抗議運動の中心は「学生」
先日北海道新聞の「うそクラブ」蘭にこのような投稿があった
「香港、中高生もストライキ 血が騒ぐ!」 -団塊の世代ー
ボクも団塊の世代
当時(学生時代) 慶応大学の授業料値上げ問題から日本大学不正会計問題などをきっかけに学生たちが大学の垣根を超えた「全共闘」が組織され 「大学自治権要求運動」に加え「日米安保条約」「ベトナム戦争」「成田空港建設」への抗議・反対運動が展開された
いわゆる「学生運動」と呼ばれたもの もう半世紀前の話だ
香港のこの様子を見て「学生運動」に参加していた団塊世代の方が血が騒ぐという投稿なのだろう
これらの運動は1968(昭和43)年~1970(昭和45)には ピークに達し
北海道でも 連日デモ学生と機動隊との衝突が繰り返された
デモと言ってもヘルメットをかぶり角材・石を手にした学生たち
反帝国主義を唱える「革マル派」「中核派」「社青同」等々
ヘルメットは色とりどり ヘルメットのデザインで「・・・派」がわかったものだ
このヘルメットに角材の姿が学生運動の定番スタイル
「民青」(日本民主青年同盟)と呼ばれる同じ共産主義系の活動団体は過激ではなかった
東大安田講堂占拠事件を機に全国の大学へ波及し 北海道大学でも大学本部が占拠され大学の機能は完全麻痺 授業は長期間にわたり休講の日々が続いた
のちに「内ゲバ」などと呼ばれる事件
もっと過激になると
「連合赤軍派」による「日航機乗っ取り事件」「あさま山荘事件」などにつながった
ボクはと言えば「学生運動」とは無縁
政治に関心が無かったわけではないが
いわゆる「ノンポリ派」だった
この「学生運動」は1970年代前半には完全に消え失せ
今では日本の「学生運動」は死語に等しい
さて学生の時期は社会への懐疑・批判などを抱きやすい特徴があり
世界中どこでも若者が「抗議・反対運動」を通して社会を動かし 変革してきた実績がある
現在日本の若者はNPO・NGOや社会的企業などのボランティア活動に積極的に参加することで社会貢献をし
また社会福祉(児童・高齢者)に対する変革運動にも関わるなど地道な活動が主流となっているような感じがする
いま世界は 核兵器こそ使っていないがあちこちで紛争が絶えず キナ臭い状態が続いており
共存共栄の思想は薄れ 各国は「自国主義」に走り「同盟」を解消し 大国同士は「経済戦争」と呼ばれる戦争に突入している
「自国主義」の行き着くところは「戦争」ではないのか
国内では長期政権が続き 「安定政権」と呼ばれているが
本当にこれで良いのか
来年度予算で各省が要求している額が膨大に膨らんでいる
増税分を各省が当てにして獲得競争しているのではないか
増税分が本来の目的通り使われるのか
今後未来永劫年金制度は安心できるのか
「憲法改正」は必要なのか

国内では多くの課題・難題が山積み
これら様々な問題・課題に対する学生たちの動きが全く見えない
「憲法改正」に対しても学生たちが自ら主体性をもって議論しているのだろうか
「憲法改正賛成・反対」運動・デモにも学生たちの姿はあまり見かけない
政治に関心のある学生はどれほどいるのだろうか
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